満期保有目的債券の基礎(購入した時の仕訳)

いっぱんに債券とは、国や会社などが資金を集める目的で発行した証券をいい、国が発行した債券は国債、会社が発行した債券は社債とよばれています(債券はいずれは集めたお金を返済しなければなりませんので、国や会社など発行する側にとっては借金しているのと同じ事になります)。

債券は発行した国や会社側から見れば借金ですが、それを購入した投資家の側から見れば、いずれお金を返してもらえる権利を表しますので、価値のある証券(有価証券)として取り扱われます。

国債や社債などの債券を満期まで(国や会社にとっての借金の返済日まで)保有することを目的に取得した場合は、これを満期保有目的債券といい、「満期保有目的債券」という勘定科目を使って記帳します。

たとえば、現金3,000円で満期保有目的債券を購入した場合は以下のように仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
満期保有目的債券 3,000 現金 3,000

会社が国債や社債などを満期まで保有しておくことを前提に購入した時は、「満期保有目的債券」という資産グループの勘定科目を使って仕訳することになります。
資産グループの勘定科目の仕訳ルールは、増加は左側(借方)、減少は右側(貸方)に記帳することです。したがって左側(借方)に「満期保有目的債券 3,000円」と記入します(反対側の右側(貸方)は代金として支払った「現金 3,000円」を記入します)。
では、下記の具体例で満期保有目的債券を購入した時の取引の仕訳を問題形式でご確認ください。

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満期保有目的債券を購入した時の基本的仕訳例

B社の社債(額面金額100,000円)を満期まで保有する目的で94,000円で購入し、代金は現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
満期保有目的債券 94,000 現金 94,000

満期保有目的債券を購入した時は、「満期保有目的債券」という勘定科目を使って記帳します。
またこの時、問題に実際にお金を払った購入金額(上記の例でいえば94,000円)のほかに額面金額(上記の例でいえば100,000円)があったとしても、取得原価は実際に払った金額となりますので、購入金額である94,000円を使って仕訳することにご注意ください。

上記設例の仕訳については、B社社債を購入することにより、満期保有目的債券という資産が94,000円増加しますので、左側(借方)に「満期保有目的債券 94,000円」と記入してください。同時に現金という資産が94,000円減少していますので右側(貸方)は「現金 94,000円」となっています。

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