子会社株式の基礎(取得時の仕訳)

たとえばある会社Aがほかの会社Bの発行した株式の100%を保有している場合、会社Aは会社Bの最高意思決定機関である株主総会での多数決を完全に支配することができ、会社Bを支配下に置くことができます(株主総会の多数決だけを考えれば、100%の株式を保有していなくても過半数である50%超の株式を保有していれば会社Aは会社Bを支配できるといえます)。

このように、ある会社が他の会社の意思決定機関(株主総会のほか取締役会など)を支配していると認められる場合、支配している会社を親会社、支配されている会社を子会社といいます。
親会社が子会社の株式を取得した時は「子会社株式」という勘定科目を使って記帳します(なお、子会社株式と関連会社株式とをまとめて「関係会社株式」という勘定科目を使用するばあいもあります。試験問題などでは問題の指示等に従って解答してください)。
では、下記の具体例で子会社株式を購入した時の取引の仕訳を問題形式でご確認ください。

スポンサードリンク

子会社株式を購入した時の基本的仕訳例

当社はS社の発行済み株式100株のすべてを、1株当たり1,000円で購入し、S社を子会社とした。なお購入代金は現金で支払った。

(計算過程)
S株式の取得原価:購入株式100株×1株当たり@1,000円=100,000円

借方 金額 貸方 金額
子会社株式 100,000 現金 100,000

子会社の株式を取得した時は、「子会社株式」という勘定科目を使って記帳します(「関係会社株式」という勘定科目を使用する場合もございます)。

上記仕訳については、当社がS社の株式を購入することにより、子会社株式という資産が100,000円分増加しますので、左側(借方)に「子会社株式 100,000円」と記入してください。同時に現金という資産が100,000円減少していますので右側(貸方)は「現金 100,000円」となっています。

(このページと関連するページ)
有価証券の取得原価の基礎(購入代価と付随費用)
売買目的有価証券の基礎(購入した時の仕訳)
満期保有目的債券の基礎(購入した時の仕訳)
その他有価証券の基礎(購入した時の仕訳)
子会社株式・関連会社株式の決算時の仕訳(仕訳なしの意味)

スポンサードリンク