日商簿記検定とは

日商簿記検定とは、日本商工会議所および各地商工会議所が実施する簿記技能検定です。
1954年に第1回が実施されて以来これまでの受験者累計数は7,000万人にもおよび、一般的に『簿記検定』や『簿記3級』などといえば、この日商簿記検定の事を指します。また、他の団体が実施する簿記検定とは異なり、「商工会議所法」という法律に基づいて実施している「公的試験」であり、名実ともに国家資格に準ずる資格であるといえます。
日商簿記検定には試験科目・難易度などに応じて1級から4級までの4つ等級があり、誰でも何級からでも受験することができます。

各級の試験科目・試験時間

試験科目 試験時間 日程 合格率
商業簿記・工業簿記・原価計算・会計学 3時間 年2回 約10%
商業簿記・工業簿記 2時間 年3回 約30%
商業簿記 2時間 年3回 約40%
初級 商業簿記 40分 随時 約50%

試験日程は毎年2月・6月・11月に行われます(ただし1級は6月・11月の年2回、初級はネット試験であり随時受付)。
hatenaすべての級において受験資格はありません。誰でも何級からでも受験できます。
なお合格基準は全級70%です。ただし1級は1科目について最低40%以上の得点が必要です。また、上記表の合格率は近年の概算値です。詳細は商工会議所のホームページなどでご確認ください。

日商簿記検定の級別試験概要

1級(勉強時間の目安:500時間以上)

国内簿記検定の最上位に位置します。試験科目は商業簿記・工業簿記・原価計算・会計学であり、すべての試験科目が公認会計士試験の試験範囲に含まれています。また日商簿記検定1級合格者は学歴・職歴に関係なく税理士試験の受験資格を得ることができます。これらの理由により、この試験は公認会計士・税理士への登竜門とも言われています。
ただし合格率は10%前後と非常に低く、また合格者の多くが公認会計士や税理士試験の受験生によって占められていますので非常に難易度の高い試験となっております(なお、勉強時間の目安は大手予備校のカリキュラムや管理人自身の受験経験を基に算出しております。当然個人差がございますのであくまでも目安としてとらえてください。以下同様)。

(合格者の特典)
1.税理士試験の受験資格が得られます
2.職業能力開発促進法の指導員資格試験で、事務科の試験科目の一部が免除されます

2級(勉強時間の目安:150時間以上)

試験科目は商業簿記・工業簿記となっています。2級試験は試験科目が増加することもあり、3級と比べてgat難易度は大幅に高くなっています。しかし、実際に就職採用時において簿記資格を武器とするためには日商簿記検定2級以上の合格は欠かせません。また、この試験に1年程度で合格できるかどうかは、会計士や税理士などのより上級の資格試験を目指すにあたって、簿記の勉強が自分にあっているかどうかを測るよい目安となると思われます。

3級(勉強時間の目安:30時間~60時間程度)

試験科目は商業簿記の1科目です。日商簿記検定には3級の下に初級(旧4級)もありますが、一般的に、簿記の初学者にとって最初に目指す試験は日商簿記検定の3級となります。毎回10万人以上の方が受験され、国内の資格試験の中でもトップクラスの人気を誇ります。また、比較的短時間で合格可能であり、コストパフォーマンスの観点からも独学での合格が可能な試験となっております(2級も独学での合格は可能と思われますが、コストパフォーマンスの観点からはおすすめはできません)。

初級(勉強時間の目安:30時間以下)

試験科目は商業簿記の1科目です。複式簿記のごく初歩的な内容が問われます。3級の欄でも記述しておりtop145tますが、簿記の初学者の方でも、一般的には3級試験から受験します。
なお初級は2017年4月以降に新設された試験区分であり、それ以前は日商簿記検定4級試験として実施されていました。日商簿記検定初級は上記の1級から3級まで(および旧4級)と異なり、インターネットを介して試験の実施する「ネット試験」の形式をとっており、より受験しやすい形式を採用しています。