小口現金の前渡し時の仕訳の基礎

小口現金(こぐちげんきん)とは、日々の少額な経費の支払いに備えて社内に備え置かれた現金のことをいいますが、日々の支払いを小口現金を使っておこなっていくと小口現金の残高は減少していきますのでどこかのタイミングで小口現金を補充する必要があります。
使った分をその都度補充してもよいのですが、それでは現金の補充の回数(事務処理の手続き)が多くなり手間がかかります。
したがって一般には一定の金額の小口現金を前渡ししておき、一定期間(たとえば1か月)ごとに使用した小口現金を集計し、集計された金額と同額を新たに補充するというような仕組みが採用されます。
これをインプレスト・システム(定額資金前渡制度)といいます。

インプレスト・システムでは以下の3つの場面で処理が必要となります。


1.小口現金の前渡し時(小口現金制度の開始時)

2.小口現金を使用して経費を支払ったとき

3.小口現金の補給時(インプレスト・システム)

ここでは上記のうち「1.小口現金の前渡し時(小口現金制度の開始時)」の仕訳についてみていきましょう。

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小口現金の前渡し時の流れ

インプレスト・システム(定額資金前渡制度)を採用するにあたり、経理から小口現金係(小口現金の管理責任者)に対して、10,000円を普通預金口座より引き出して支給した。

借方 金額 貸方 金額
小口現金 10,000 普通預金 10,000

インプレスト・システムの採用にあたり、普通預金から10,000円を引き出して小口現金係にわたしています。
「小口現金」勘定も「普通預金」勘定もともに資産グループの勘定科目ですので、増加した時は借方(向かって左側)、減少した時は貸方(向かって右側)にそれぞれの金額を記入します。
今回は「小口現金」が10,000円増加「普通預金」が10,000円減少していますので上記の通り仕訳することになります。

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