商品を売り上げたときの基本的な流れ(外貨建取引)

外貨建の商品売買取引では外国の通貨(ドル・ユーロ・元など)で取引が行われますので通常の日本円で行われる商品売買取引とくらべると、外貨を円に換算する、という計算が必要となります。

ここでは外貨建で商品を販売した時(外貨での輸出取引など)の仕訳を確認していきますが、商品売上取引における仕訳は、1.前受け金の受取時2.商品の販売時(売上時)3.売掛金の受取時、の3つの時点で行われ、それぞれで外貨で表示された金額を円に換算し、仕訳するということが必要となります。

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外貨建商品の売上取引の仕訳の流れ

1.前受金の受取時 商品の販売取引において、商品を引き渡しの前に前受金を受け取った時は、前受金の受け取り時における為替相場を使って外貨を円貨に換算し、前受金受け取りに関する仕訳を行います。
2.商品の販売時 商品の販売時の為替相場を使って外貨を円貨に換算して仕訳します。

なお、事前に前受金を受け取っている場合、前受金計上時に換算した金額をそのまま前受金から売上勘定振替え、残額を販売時の為替相場で換算し、仕訳を行います。

3.売掛金の決済時 売掛金の決済時の為替相場を使って外貨を円貨に換算し、受け取り金額を仕訳します。

なお、売掛金の帳簿上の金額は商品の販売時にその時点の為替相場を使って計上しているため、商品販売時から売掛金の決済時までの間に為替相場が変動すると、円での換算額に差が生じることになります(たとえば30ドルの売掛金について、商品販売時の為替相場が1ドル110円の場合には110円×30ドル=3,300円として帳簿に計上していますが、売掛金の決済時の為替相場が1ドル120円となった場合、売掛金の決済金額として120円×30ドル=3,600円を受け取ることになり、帳簿の金額より300円多く受け取ることになります)。これは決済時点における損益(為替差損益といいます)として処理することになります。

外貨建取引の記帳の原則は、「取引は取引発生時点の為替相場を使って換算する」ということです。商品の売上取引もこの原則に従って、円貨による取引と同じように記帳することになりますが、たとえば前受金を事前に受け取っている場合や商品の販売時と売掛金の決済時の為替相場が異なる時など、外貨建取引の処理が必要となる場合があります。外貨建取引の仕訳問題ではこのような部分が出題対象となるものと思われますので、練習問題などで何度も練習して慣れておいてください。

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