企業はその規模が大きくなるほど取り扱う現金の金額も大きくなります。
現金にはその管理に様々なリスクを伴い、数千万・数億もしくはそれ以上の現金を社内で管理するのは現実的ではありませんし、各種のリスクを考えると手元や社内にはなるべく現金を保管せず銀行や金庫に預けておく方がベストです。
しかし消耗品など経費の支払いは日々発生しており、そのような取引の都度ごとに金庫や銀行に現金を引き出しに行くのは現実的ではありません。
そこで企業は日々の少額(小口)決済に必要な現金のみを社内に常備しておき、消耗品など日々の取引でこれを使用することがあります。
このような現金を「小口現金」といいます。
例えば小口現金300円を使用して消耗品を購入した時の記帳は以下のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 300 | 小口現金 | 300 |
小口現金は資産グループの勘定科目であるため、増加した場合は向かって左側(借方)、減少した場合は右側(貸方)に記帳します。今回の取引では小口現金300円を使用して消耗品を購入しておりますので小口現金が300円だけ減少していることになります。したがって貸方に「小口現金 300円」と記帳します。
いっぽうで消耗品を購入することにより消耗品費という費用が発生しています。費用が発生した時は左側(借方)に発生した金額を記帳しますので、借方に「消耗品費 300円」と記帳します。
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小口現金の記帳が必要となる3つの時点
小口現金の記帳は上記のように「小口現金」という勘定科目を使って記帳することになりますが、実際に小口現金の記帳が必要となるのは次の3つの時点となります。
1.小口現金の前渡し時(小口現金制度の開始時)
2.小口現金を使用して経費を支払ったとき 3.小口現金の補給時(インプレスト・システム) |
小口現金は資産グループの勘定科目です。小口現金が増加した時は向かって左側(借方)、小口現金が減少した時は右側(貸方)に小口現金を記帳することが基本となります。