外貨で前受金を受け取った時の仕訳の基礎(外貨建取引)

外貨建取引(取引通貨がドルやユーロなどの外貨で行われる取引)の仕訳では、外貨で表示された取引価格を、取引が発生した時の為替相場を使って日本円に換算し、その日本円を使って仕訳することになります。

輸出取引など商品を外貨建で販売するにあたり事前に前受金受け取ることがありますが、外貨で前受金を受け取った時の仕訳はその前払金受け取り時の為替相場を使って受け取った外貨を円に換算し、円で前受金の受け取りを計上するための仕訳をします。

下記の具体例で外貨で前受金を受け取った時の仕訳をご確認ください。

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外貨建取引-前払金を支払った時の仕訳例

ヨーロッパの得意先へ商品10ユーロ分を販売するにあたり、商品発送の前に2ユーロを前受金として現金で受け取った。なお前払金受け取り時における為替相場は1ユーロ120円であった。

1.外貨から円貨への換算する
外貨建取引の仕訳の第一歩は、外貨で表示された取引金額を日本円に換算することから始めます。
この換算を行うときに必要となるのが換算レート(為替相場)ですが、外貨建取引の換算の基本的なルールは、取引が発生した時の為替レートを使って外貨を日本円に換算することですので、外貨で前受金を受け取った時の仕訳も、前受金受け取り時(前受金の受取りという取引発生時)の為替レートを使って、外貨を日本円にします。
この設例において取引発生時の為替レートは1ユーロ120円となっていますので、日本円への換算は次のように計算することになります。

日本円での前受金の受取金額:2ユーロ×@120円=240円

2.算定した日本円で仕訳を行う
上記の計算より、前受金の受取金額2ユーロは、日本円では240円となりますので、この240円を使って前受金の受け取りに関する仕訳を行います。

借方 金額 貸方 金額
現金 240 前受金 240

前受金240円を受け取ったことにより、後日に商品を引渡さなければならない義務を負うことになります。この義務(前受金)は負債グループの勘定科目ですので、右側(貸方)に「前受金 240円」と記入してください。また現金を受取ることにより、現金という資産が240円増加していますので左側(借方)は「現金 240円」となっています。

外貨建取引の仕訳の流れは、
1.まず外貨で表示された取引金額を日本円に換算(変換)する
2.その日本円を使って仕訳する

となります。この基本的な流れは必ず押さえておいてください。

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