税抜経理の仕訳・記帳(消費税の期中取引の記帳)

商品を販売した時、お店はお客さんから商品の代金と一緒に消費税を受け取ることになります。一方、商品を仕入れた時や電気代・電話代などの経費を支払った時は商品の代金などと一緒に消費税を支払うことになります。また決算後には消費税を税務署へ納付する手続きが必要となります。

このように、現代社会の経理実務においては消費税の記帳処理は非常に重要な論点となっています。
この消費税の記帳方法にはおもに、税込方式と税抜方式という2つの経理方法があります。

1.税込方式 税込方式とは、消費税込の金額で売上や仕入などを記帳する方法をいいます。
2.税抜方式 税抜方式とは、消費税を除いた金額で売上や仕入などを記帳する方法をいいます。

税抜方式(税抜経理方式ともいいます)とは、消費税を除いた金額で売上や仕入を記帳する方法をいいます。
この時、商品やサービスなどの本体価格のみ(税抜価格)を使って売上や仕入などを記帳し、消費税の金額部分については仮受消費税または仮払消費税という商品の本体などとは別の勘定科目を使って記帳することになります。

例えば、商品を現金110円(本体価額100円、消費税額10円)をお客さんに販売した時の記帳を税抜方式で行った場合は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
現金 110 売上 100
仮受消費税 10

税抜方式では、消費税を含まない金額で売上や仕入・諸経費を記帳しますので、税抜価格(本体価格)である100円を売上として記帳します。
いっぽう、受け取った金額のうちの消費税部分である10円については、これをいったんお客さんから預かり、後日に税務署に納付しなければならないため仮受消費税として負債計上することになります。

また、商品を現金108円(本体価額100円、消費税額10円)で仕入れた時の記帳を税抜方式で行った場合は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
仕入 100 現金 110
仮払消費税 10

税抜方式では、消費税を含まない金額で売上や仕入・諸経費を記帳しますので、税抜価格(本体価格)である100円を仕入として記帳します。
いっぽう、支払った金額のうちの消費税部分である10円については、仮払消費税として資産計上することになります。
(税込方式については税抜方式の仕訳の基礎をご参照ください)。

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消費税の経費方式-税抜方式の例

1.商品仕入時の仕訳

当社は小売店を経営している。店頭に陳列する商品を仕入業者より5,500円(うち消費税額500円)を仕入れ、代金は現金で支払った。これを税抜経理方式で仕訳しなさい(以下同様)。

借方 金額 貸方 金額
仕入 5,000 現金 5,500
仮払消費税 500
2.商品売上時の仕訳

上記の1で仕入れた商品をお客さんへ11,000円(うち消費税額1,000円)で販売し、代金は現金で受け取った。

借方 金額 貸方 金額
現金 11,000 売上 10,000
仮受消費税 1,000
2.経費支払時の仕訳

今月の電話料金3,300円(うち消費税額300円)が普通預金口座より引き落とされた。

借方 金額 貸方 金額
通信費 3,000 普通預金 3,300
仮払消費税 300

税抜方式では、消費税抜きの本体価格で売上や仕入・通信費などの経費を記帳します。消費税については仮払消費税・仮受消費税など別勘定で記帳することになります。

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