商品売買とは、商品を安く仕入れてきて、これをお客さんに販売することを言います。消費者に商品を販売する小売店の記帳方法とイメージしていただければわかりやすいと思います。
商品売買を記帳する方法は、分記法・三分法・総記法など複数ありますが、このページでは三分法法について見ていきましょう。

三分法とは、商品を仕入れてきたときは仕入勘定（費用グループ）の増加、商品を販売した時は売上勘定（収益グループ）の増加として記帳する方法です。さらに期末に売れ残っている商品は繰越商品勘定（資産グループ）に集計し、資産として翌期に繰り越します。
仕入勘定・売上勘定・繰越商品勘定の3つの勘定を使用することから三分法といいます（このページでは、商品購入時の記帳と商品販売時の記帳について解説します、期末の繰越商品勘定の記帳については三分法の決算時の記帳をご参照ください）。

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商品売買（三分法）の仕訳例

1.商品を購入した時の記帳

説明だけではわかりづらいと思いますので、実際に記帳を見ていきましょう。これからの話は自分が小売店の店主になったイメージで考えてみてください。まずは仕入業者や卸売業者から商品を仕入れてきたときの記帳方法です。

三分法では上記の通り、商品の購入は仕入という費用の発生と考えます。費用グループの記帳ルールは発生は左側（借方）、取消は右側（貸方）に記帳することです。
では、下記の具体例で仕訳をご確認ください。

（具体例１　商品購入時の仕訳・三分法）
仕入先から商品を1,000円で購入し、代金は現金で支払った。

商品を購入することにより仕入という費用が1,000円分発生しますので、左側（借方）に「仕入1,000円」と記入してください。同時に現金という資産が1,000円減少していますので右側（貸方）は「現金1,000円」となっています。

2.商品を販売した時の記帳

次に消費者などのお客さんに商品を販売した時の記帳方法です。三分法では商品を販売した時は売上という収益が発生したと考えます。収益グループの記帳のルールは発生は右側（貸方）、取消は左側（借方）に記帳することです。
では、下記の具体例で仕訳をご確認ください。

（具体例２　商品販売時の仕訳・三分法）
消費者に、上記の商品を1,200円で販売し、代金は現金で受取った。

まず、現金を代金として受け取っていますので、左側（借方）に「現金1,200円」と記入します。
いっぽう、商品を販売することにより売上という収益が1,200円分発生しますので、右側（貸方）に「売上1,200円」と記入してください。

最後に上記具体例1と2の仕訳を比較してみてください。三分法では商品購入時は仕入価格（原価）で仕入勘定の左側（借方）、販売時は販売価格（売値）で売上勘定の右側（貸方）に記帳しています。三分法では仕入は仕入価格、売上は販売価格で記帳します。同じ商品でも購入時と販売時の記帳金額が異なりますのでご注意ください。

（このページと関連するページ）
売上原価の計算と決算整理仕訳の基礎（三分法）