前受金取引の仕訳の基礎

商品を販売する場合において、代金の一部を内金として事前に受取っておくことがあります。売主はこの内金を受取ることにより、後日に商品を引き渡さなければならない義務(マイナスの財産)を負うことになりますから、内金を受取った時は前受金という負債グループの勘定科目として記帳することになります。

負債グループの勘定科目の仕訳ルールは、増加は右側(貸方)、減少は左側(借方)に記帳することです。
では、下記の具体例で前受金取引の仕訳をご確認ください(なお、内金を支払った時の記帳は前渡金(前払金)取引の仕訳の基礎のページでご参照ください)。

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前受金の仕訳例

(具体例1 前受金の増加)
新たな取引先に商品10,000円を販売するにあたり、内金として、販売代金の30%にあたる3,000円を現金で受取った。

借方 金額 貸方 金額
現金 3,000 前受金 3,000

事前に内金3,000円を受取ることにより、後日に商品を引き渡さなければならない義務を負うことになります。内金を受取ることによって負ったこの義務(前受金)は負債グループの勘定科目ですので、右側(貸方)に「前受金3,000円」と記入してください。また現金を受け取ることにより、現金という資産が増加していますので左側(借方)は「現金3,000円」となっています。

(具体例2 前受金の減少)
上記の商品10,000円を引き渡し、販売価格から内金を差し引いた残額7,000円を現金で受取った。

借方 金額 貸方 金額
前受金 3,000 売上 10,000
現金 7,000

商品を引き渡すことにより、引き渡し義務としての前受金が消滅しますので前受金が3,000円減少します。したがって左側(借方)に「前受金3,000円」と記入してください。さらに、販売価格と内金との差額7,000円を現金で受取っていますので、左側(借方)に「現金7,000円」と記入することが必要です。なお、商品販売により、売上という収益が発生しますので右側(貸方)は「売上10,000円」となっています。

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