固定資産の除却した時の仕訳の基礎

企業の事業を継続するため様々な固定資産を購入しますが、新しい固定資産を購入すれば古い固定資産は使用しなくなります。
すぐに売却できればいいのですが、そうできるとも限らずいったん倉庫などに保管することもあります。
このように固定資産を使用しなくなることを除却といい、帳簿上も固定資産勘定から貯蔵品勘定へと振り替えを行います。
ここでは帳簿価額が1,000円(直接法で記帳)の機械装置を除却した場合の仕訳を考えていきましょう。

1.機械装置を使用しなくなり除却した場合、除却した機械装置の帳簿残高を機械装置勘定の貸方に記帳し、機械装置勘定から減額します。

借方 金額 貸方 金額
機械装置 1,000

2.除却した機械装置はこの時点における価値(スクラップとしての価値)を見積り、貯槽品勘定の借方に計上します。
除却した機械装置のスクラップとしての価値が100円であった場合、貯蔵品勘定の借方に100円として仕訳し、貯蔵品の残高を100円増加させます。

借方 金額 貸方 金額
貯蔵品 100 機械装置 1,000

3.上記の貸借(左右)の差額は900円であり、これは固定資産を除却したことによって発生した損失ですので「固定資産除却損」という損失の勘定科目を使って記帳します。

借方 金額 貸方 金額
貯蔵品 100 機械装置 1,000
固定資産除却損 900

機械装置にスクラップとしての価値がない場合には、帳簿価額の全額が固定資産除却損となります。

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固定資産を除却したときの仕訳例

業務用パソコン500,000円(減価償却累計額300,000円)を除却した。パソコンの処分価値が30,000円であったときの仕訳を示しなさい。なお固定資産の減価償却費の記帳は間接法を採用している。

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 300,000 備品 500,000
貯蔵品 30,000
固定資産除却損 170,000

固定資産の記帳方法は間接法であり、パソコン(備品)の帳簿価額は取得原価500,000円から減価償却300,000円を差し引いた200,000円となっております。
固定資産の処分価値は30,000円のため、固定資産除却損は200,000円から30,000円を差し引いた170,000円となります。

(このページと関連するページ)
固定資産を売却した時(直接法)の仕訳の基礎

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