間接法における減価償却費の記帳方法

減価償却費の記帳方法には直接法と間接法とがあります。このうち間接法とは、減価償却費の計上額を各固定資産勘定から直接減額するのではなく、減価償却累計額という勘定科目を別途用意し、減価償却費をその貸方に記入することにより、減価償却累計額勘定を通して固定資産勘定から減価償却費を間接的に控除する方法です。

間接法による減価償却費計上時の仕訳は、借方に「減価償却費」勘定を記帳すると同時に、貸方には「減価償却累計額」勘定を記帳し、減価償却費を減価償却累計額勘定を通して固定資産勘定の帳簿価額から間接的に減額することになります。

たとえば、建物の減価償却費の計上額100円を間接法で記帳した場合は以下のように記帳することになります

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 100 減価償却累計額 100

仮に上記の建物の取得原価が10,000円であったとすれば、建物勘定の帳簿残高は10,000円(借方)、減価償却累計額勘定の帳簿残高は100円(貸方)となり、建物の期末の価値(帳簿価額)は上記の建物勘定から減価償却累計額勘定を控除した残高(9,900円)として算定されます。

建物勘定:10,000円(借方)
減価償却累計額勘定:100円(貸方)

建物の帳簿価額は10,000円-100円=9,900円(借方)

この方法では、借方は減価償却費勘定、貸方は減価償却累計額勘定と仕訳しますので、固定資産勘定の残高は取得原価のまま残ることになります。よって帳簿残高から固定資産の取得原価と減価償却費の累計額をそのまま把握することができる点に特徴があります。

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減価償却費の計上(間接法)の仕訳例

機械の減価償却費計上額は100,000円であった。減価償却費計上時の仕訳を示しなさい。なお当社では減価償却の記帳方法として間接法を採用しているものとする。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 100,000 減価償却累計額 100,000

なお減価償却累計額勘定は、各資産の種類を頭につけ「建物減価償却累計額」や「機械減価償却累計額」勘定などとすることもあります。

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