サービス業の簿記(まとめ)

これまで、簿記検定では主に商品販売業を対象とした出題がなされていました。しかし平成28年の出題区分の変更により新たにサービス業の収益に関する処理(役務収益・役務費用)が2級の出題範囲に加わることになりました。
ここではサービス業の簿記についてみていきたいとおもいます。

サービス業とは、いわゆる商品としてのモノの販売を商売とするのではなく、サービスの提供を商売とすることをいいます。商品販売業には実際のモノがありますが、サービス業においてはモノの販売がないため、いつ売上を計上するのかいつ費用を計上するのかなどの点がポイントになります。サービス業の簿記のポイントをまとめると以下のようになります(より詳細な仕訳は、それぞれの個別論点のページでご参照ください)。

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サービス業の簿記のポイント

前金を受け取った時 サービスの提供に先だって代金を受け取ることがあります。このサービスの提供前に受け取った代金については、いったんこれを「前受金」として取り扱うことになります。
費用を支払った時 お客さんにサービスを提供するにあたり、人件費や交通費など様々な経費が発生することがあります。サービス業の簿記の特徴として、費用は売上収益と同時に計上するという点があるため、お金を払った段階ですぐに費用として処理するのではなく、いったんこれを「仕掛品」という資産勘定を使って処理することになります。
サービスの提供を行ったとき サービスの提供を行ったときは、「役務収益」という勘定科目を使って売上収益を計上します。この時、事前に「前受金」を計上していた場合には「前受金」を減額し、これを「役務収益」に振替えます。
なおこのサービス提供にあたり経費を支払っていた場合には、経費を集計していた「仕掛品」という資産勘定を減額し、これを「役務原価」という費用勘定へと振り替えます。

このほか決算時において、事前に受け取った前受金のうち、その進捗状況に応じて一部を「役務収益」として計上する場合があります。この場合には、その収益に対応する経費を「仕掛品」から抜き出し、これを「役務原価」として処理することになります。

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