外貨建で取得した固定資産の換算と減価償却費

外貨建取引で取得した固定資産の減価償却費の計算について基本的な流れを追いながらご説明いたします。

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1.外貨建て取引で固定資産を取得した時

例えば海外から製造機械などの固定資産を輸入したとしましょう。
この場合の仕訳も外貨建て取引の仕訳の大前提に従って処理することになります。すなわち、取引価格が外国通貨の単位で表示されている外貨建て取引の仕訳は、その取引の発生時の為替レートを使って外国通貨の取引価格を日本円での取引価格に換算し、日本円で仕訳を行うことになります(外貨建取引発生時の仕訳の基礎(その時の為替レートを使う)もご参照ください)。

設例1:アメリカのメーカーから製造機械を輸入し、代金として500ドルを現金で支払った。その時の為替レートが1ドル100円であった場合の仕訳を示しなさい。

借方 金額 貸方 金額
機械装置 50,000 現金 50,000

機械の購入価格500ドルは、取引発生時の為替レート1ドル@100円で換算すると次のようになります。

500ドル×@100円=50,000円

したがって、機械装置という固定資産が50,000円増加したものとして仕訳することになります。

2.減価償却費の計算

機械装置のような固定資産は決算時に換算替えは行いませんので、機械の取得価格は50,000円で確定します(取得後の為替レートの変動などによる影響は一切考慮しません)。
したがって決算時の減価償却の計算も取得時に計算した取得価額(上記設例でいえば50,000円)をベースに行います(外貨建て取引で取得した資産・負債の換算については「外貨建資産・負債の決算時の換算とは(基本)」も併せてご参照ください)

設例2:上記設例1で取得した製造機械の減価償却費を計上するための仕訳を示しなさい。なお機械装置は当期の期首に取得したものであり、耐用年数は5年・定額法によるものとする。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 10,000 機械装置 10,000

外貨建て取引で取得した固定資産については決算時の換算替えなどは行いません。したがって取得時に計上した50,000円を取得価額として減価償却費を計算します。

取得価額50,000円÷耐用年数5年=10,000円

(このページと関連するページ)
外貨建資産・負債の決算時の換算とは(基本)

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