有価証券を売買した時の端数利息の仕訳の基礎

有価証券のうち公社債の売買では、買主が売主に対し、前回の利払日の翌日から売買日までの利息を計算して支払う場合があります。簿記ではこれを端数利息といいます。

公社債の利息は、半年ごとなどの利払日に公社債を保有しているものが半年分の利息を全額受け取ることになりますので、もし前回の利払日後に公社債の保有者が変わった場合は、買主は売主に対し、売主の保有期間に対応する利息金額を支払う必要があります。

買主が端数利息を支払った時の仕訳は「有価証券利息」勘定の貸方、売主が端数利息を受け取った時は「有価証券利息」勘定の借方に端数利息の金額を記帳します。

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端数利息の仕訳例

1月31日において、A社はB社から社債(額面金額および帳簿価額はともに10,000円、年利率3.65%、利払日は6月末と12月末の年2回)を額面金額で買い取り、代金として現金10,000円を支払った。その際、前回の利払日(12月31日)の翌日から売買日までの端数利息31円も合わせて現金で支払った。
買主A社および売主B社の仕訳を示しなさい(A社B社ともに当該社債は売買目的有価証券に分類している)。

(解答-買主A社の仕訳)

借方 金額 貸方 金額
有価証券 10,000 現金 10,031
有価証券利息 31

(解答-売主B社の仕訳)

借方 金額 貸方 金額
現金 10,031 有価証券 10,000
有価証券利息 31

買主は端数利息を支払ってもこれを有価証券の取得原価に含めることはありません。
端数利息については、買主・売主ともに「有価証券利息」という勘定科目をつかいますが、買主は端数利息を支払う側なので費用の勘定科目と同様に借方(向かって左側)に、また売主は端数利息を受け取る側なので収益の勘定科目と同様に貸方(右側)に記帳します。

なおこの設例では端数利息はあらかじめ与えられていますが、簿記検定などでは自分で計算する必要があります。
端数利息の計算方法は、債券の利息を前回の利払日から債券の売買日までの日数で割り算して(日割り計算)で求めることになります。
具体的には次のように算定します。

(日数)
前回の利払日の翌日(1月1日)から売買日までの日数は31日

(金額)
額面金額(10,000円)×年利率3.65%×31日÷365日=31円

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