その他有価証券は決算時において時価評価しますが、時価評価した際の評価差額の処理方法には全部純資産直入法と部分純資産直入法とがあり、評価差額の処理が異なります。
全部純資産直入法と部分純資産直入法について、評価差益および評価差損の表示科目との関係をまとめると以下のようになります。
評価差益 (時価の方が大きい場合) |
評価差損 (原価の方が大きい場合) |
|
---|---|---|
全部純資産直入法 | その他有価証券評価差額金 (純資産) |
その他有価証券評価差額金 (純資産) |
部分純資産直入法 | その他有価証券評価差額金 (純資産) |
投資有価証券評価損 (営業外費用) |
部分純資産直入法の適用に際しては、時価が原価を上回る銘柄と時価が原価を下回る銘柄とに区分し、時価が取得原価を上回る銘柄に係る評価差額は純資産の部に計上し、時価が取得原価を下回る銘柄に係る評価差額は当期の損失として処理することになります。
なお上記いずれの方法であっても、その他有価証券の評価差額については洗い替え方式によって処理しますので、期末に計上した評価差額については翌期首に再振替仕訳を行います(決算時の仕訳と貸借が逆の仕訳を行い、評価差額計上前の状態に戻します)。
(このページと関連するページ)
その他有価証券の決算時の評価と評価差額の扱い(基礎)
有価証券の表示区分と表示科目のまとめ(表)