法人税等の中間納付した時の仕訳の基礎

会社は、決算で確定した利益に対し毎年税金(法人税・法人住民税・法人事業税など)を支払わなければなりません。しかし年1回の決算の会社などにおいては、事業年度の中間において、半年分の税金を前払する必要はあります。これを中間納付といいますが、この中間納付の税金を支払った時はどのように処理すればよいのでしょうか?

会社が法人税などの中間納付を行ったときは仮払法人税という資産グループの勘定科目を使って記帳します。
資産グループの勘定科目の仕訳ルールは、増加は左側(借方)に記帳することです。

たとえば年度の中間において、法人税300円を現金で中間納付した時の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
仮払法人税等 300 現金 300

中間納付は法人税等の前払い(仮払い)を意味します。1年間の会社の利益は決算において確定しますので、利益に対して課税される法人税なども決算において確定します。すなわち、会社が支払わなければならない税金は決算までわかりません(場合によっては赤字決算となって、その年は税金を払わなくてもいいかもしれません)。したがって、仮払いした法人税は費用として処理するのではなく、とりあえず決算において税額が確定するまでは仮払法人税等という資産として処理しておくすることになります。

なお決算で法人税の金額が確定した場合、仮払法人税等を減額すると同時に、追加でしはらわなければならない金額のみ未払法人税等として計上することになります。
例えば上記の中間納付300円を支払った場合において、その後に決算で確定した法人税等の金額が1,000円であった場合の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
法人税等 1,000 仮払法人税等 300
未払法人税等 700

では、下記の具体例で法人税等の中間納付時及びその後の決算時などの仕訳をご確認ください。

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法人税の中間納付の仕訳例

1.中間納付時において法人税の金額を支払った時

法人税等の中間納付額300,000円を普通預金口座より支払った。

借方 金額 貸方 金額
仮払法人税等 300,000 普通預金 300,000
2.決算において法人税等の金額が確定した時

決算において確定した法人税等(法人税・住民税・事業税など)の金額は400,000円であった。

(計算)
追加で支払うべき法人税:確定した税額400,000円-中間納付として前払した税額300,000円=100,000円

借方 金額 貸方 金額
法人税等 400,000 仮払法人税等 300,000
未払法人税等 100,000

中間納付の支払額はいったん仮払法人税等という資産勘定で計上します。その後に法人税が確定した時は確定額から仮払法人税等(前払いした法人税等)を控除した金額を新たに納付することになります。したがって確定額から仮払法人税等を控除した残額を未払法人税等という負債グループの勘定科目で記帳し、後日これを納付することになります(確定額より仮払法人税等の方が大きい場合は、税金を払い過ぎているため差額を未収法人税等という資産勘定で記帳し、後日払い過ぎたぶんを返してもらう(還付)ことになります)。

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