仕入値引の記帳の基礎(分記法)

商品を仕入れた後、仕入れた商品の値引を受けるあります。値引の理由は商品に傷があったり汚れがあったりなど様々な理由がありますが、仕入れた商品の購入価格が後から値引かれることは簿記上、仕入値引と呼ばれ、仕入値引を受けたときは値引き額について、商品仕入時の反対の仕訳を行い、商品仕入時の仕訳を取り消すことになります。

商品仕入時の記帳方法として、分記法(商品勘定と商品販売益勘定を使用して商品売買を記帳する方法)を採用している場合、商品仕入時は、購入した商品について以下のような仕訳を行っています。

借方 金額 貸方 金額
商品 10,000 買掛金 10,000

分記法において商品を購入した時は、商品勘定という資産勘定の増加として記帳します。資産グループの勘定科目が増加したときは向かって左側(借方)に増加額を記帳します。したがって、商品の仕入れ価格を左側(借方)に記帳します。
いっぽう、商品仕入後において、仕入れた商品の値引きをうけた時は、値引き額について商品仕入時の反対の仕訳を行い、仕入価格を事後的に引き下げます。したがって、仮に上記の商品の仕入価格のうち、当初仕入価格の20%(2,000円)の値引きを受けたときは以下のように仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 2,000 商品 2,000

値引時においては、商品の値引き額(2,000円分)について、仕入時の反対仕訳を行うことにより、商品の仕入れ価格を引き下げます。
では、商品売買を分記法により記帳している場合の仕入値引についての仕訳を下記の具体例で再度ご確認ください(商品売買の記帳方法として三分法を採用している場合の仕入値引の仕訳については仕入値引の記帳の基礎(三分法)をご参照ください)。

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仕入値引の仕訳例(分記法)

1.取引先より商品100,000円で仕入れ、代金は買掛金とした。

借方 金額 貸方 金額
商品 100,000 買掛金 100,000

2.上記の商品について、後日に汚れが見つかった。仕入先との話し合いの結果、仕入価格の10%(10,000円)の値引きを受けることになった。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 10,000 商品 10,000

商品の当初の仕入れ価格は100,000円ですが、後日に値引を受けたことにより仕入れ価格は90,000円となります。値引額10,000円について仕入時の反対仕訳を行うことにより、仕入価格を事後的に引き下げることになります。

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