損金不算入・損金算入とは(税効果会計の基礎)

税効果会計とは、損益計算書における法人税の金額を税引前当期純利益に対応した金額にするため、会計上と税務とで異なる金額を調整し、税引前当期純利益と法人税等を合理的に対応させることを目的とする手続をいいます。

税効果会計の対象は会計と税務との差額です。これを調整することにより損益計算書の法人税等を会計上の利益に対応した金額へと修正します。
会計と税務との差額については、会計上と税務上とにおける扱いの違いから以下の4つに分類することができます。

損金不算入 税務の経費は損金といいます。損金不算入とは会計上は経費として処理したものについて税務上は経費とならなかった(損金に不算入の)ものをいいます。
損金算入 損金算入とは会計上は経費とならなかったものについて税務上は経費とした(損金に算入した)ものをいいます。
益金不算入 税務の収益は益金といいます。益金不算入とは会計上は収益として処理したものについて税務上は収益とならなかった(益金に不算入の)ものをいいます。
益金算入 益金算入とは会計上は収益とならなかったものについて税務上は収益とした(益金に算入した)ものをいいます。

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損金算入・損金不算入と将来減算一時差異・将来加算一時差異

損金不算入は会計上は経費となるのに対し税務上は損金とならなかったものをいいます。これは将来において会計と税務との差が解消される際に、会計上は経費とならないのに対し税務上の損金となって課税所得(税務上の利益)を減額させることになりますので将来減算一時差異となります。同様に益金算入についても将来減算一時差異となります。

いっぽう損金算入は会計上は経費とならなかったのに対し税務上は損金となったものをいいます。これは将来において会計と税務との差が解消される際に会計上は経費となるのに対し税務上は損金とならず課税所得(税務上の利益)を会計上の利益と比べ増額させることになりますので将来加算一時差異となります。同様に益金不算入についても将来加算一時差異となります。

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