修繕引当金を取り崩した時の仕訳の基礎

建物や機械などについて、修繕を行った時は「修繕費」という費用を表す勘定科目を使って仕訳します。
しかし、修繕に備えて事前に「修繕引当金」を貸方(向かって右側)に計上している場合には、この貸方の「修繕引当金」を取り崩して処理することになります。

たとえば、機械の修繕のため1,000円の現金を支払った場合において、前期に計上した修繕引当金の残高が1,000円あった場合の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
修繕引当金 1,000 現金 1,000

修繕引当金は将来の修繕にそなえて計上したものですので、実際に修繕を行う場合にはこれを取り崩します。
修繕引当金の残高は貸方に計上されていますので、取り崩す場合の仕訳は修繕引当金を借方(向かって左側)に記帳して取り崩すことになります。

なお、実際の修繕にかかった費用が修繕引当金の残高より多い場合は、差額を「修繕費」として記帳することになります。

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修繕引当金の取り崩した時の仕訳例

令和3年6月30日に建物の定期修繕を行った、修繕にかかった費用は150,000円であり現金で支払った。なお、前期の決算時において、今回の定期修繕に備えて修繕引当金120,000円を計上している。

修繕を行った時に必要な仕訳を示しなさい。

(解答)

借方 金額 貸方 金額
修繕引当金 120,000 現金 150,000
修繕費 30,000

実際に修繕費にかかった支出は150,000円ですが、前期の決算時において今回の修繕に備えて修繕引当金を120,000円設定しておりますので、支出150,000円のうち120,000円は修繕引当金を取り崩すことによって処理します。のこりの30,000円(=150,000円-120,000円)については「修繕費」勘定を使って仕訳し、当期の費用として処理しますので借方(左側)に「修繕費 30,000円」と記入してください。

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