売掛金を安く売却した時の仕訳の基礎(債権売却損)

売掛金は、債務者に対する債権(お金を請求する権利)をいいますが、このような権利は他人に売却することができます。
これは売掛金の譲渡といいます。

売主としては売掛金の帳簿価額と同じ値段で売却できればいいのですが、必ずしも帳簿価額と同じ値段で売れるとは限りません。
買主の立場から見れば売掛金を帳簿価額(額面金額)と同じ値段、例えば100万円の売掛金を100万円の現金で購入しても手間だけかかるだけで何のうまみもないからです。
売掛金の帳簿価額が100万円であれば、それよりも低い金額(例えば95万円など)で購入すれば買い手は5万円の利益を得ることができますし、売り手は5万円損しますが今すぐに現金を手に入れることができ、お互いにメリットのある取引となります。

このように売掛金を帳簿価額(額面金額)より低い価格で売却した場合、この差額は「債権売却損」という費用の勘定科目を使って記帳します。

借方 金額 貸方 金額
現金 950,000 売掛金 1,000,000
債権売却損 50,000

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売掛金を低額で売却したときの仕訳例

帳簿価額300,000円の売掛金を債務者の承諾を得て290,000円で売却した。売却代金290,000円は当社の普通預金口座へ振り込まれた。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 290,000 売掛金 300,000
債権売却損 10,000

売掛金などの債権を譲渡する場合には債務者に対する債権譲渡の通知又は債務者の承諾が必要となります。

帳簿価額300,000円の売掛金を290,000円で売却していますので、売掛金が減少し普通預金が増加します。
売掛金も普通預金も資産グループの勘定科目ですので増加した場合は借方(向かって左)、減少した場合は貸方(向かって右)に仕訳します。
したがって借方に「普通預金 290,000円」、貸方に「売掛金 300,000」円と記帳します。
借方と貸方の差額の50,000円は「債権売却損50,000円」として貸借の合計を合わせます。

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