固定資産の割賦金(分割金)を支払った時の仕訳の基礎

固定資産は機械や特殊車両など高額なものもありますので、分割払い割賦とも言います)で購入することもあります。
ここでは固定資産を割賦で購入したあと、割賦金を支払った時(分割払いした時)の処理を見ていきます。

割賦金の支払い時には、購入時に計上した未払金を減額するのですが。割賦金の返済額を未払金の減額と処理すると同時に、返済した金額に対応する利息金額を計算し、これを支払利息として処理することが必要となります。

割賦金(分割金)の支払額を未払金から減額する

支払った割賦金に対応する利息金額を支払利息として費用処理する

では具体例を使って割賦金の支払い時の仕訳を見ていきましょう

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固定資産の割賦購入時の仕訳例

×1年4月1日(期首)において、業務用の機械装置10,000円を10年の分割払い(毎年3月31日に1,100円の10回払い)で購入した。以下の時点における仕訳を示しなさい。

(1) ×1年4月1日の機械装置の購入時

(2) ×2年3月31日の1回目の割賦金の支払い時

なお利息の処理は利息の総額を割賦金の支払期間に応じて均等に按分する方法(定額法)によるものとする。

(1)購入時の仕訳

割賦で購入時の仕訳は、利息の支払額を「前払利息」として計上することがポイントとなります。
総支払額は1,100円の10回払い(総額で11,000円)であり、固定資産の取得価額は10,000円となりますので、利息の支払い額は以下の通りとなります。

総支払額11,000円-取得価額10,000円=1,000円(利息金額)

したがって購入時の仕訳は以下の通りとなります。

借方 金額 貸方 金額
機械装置 10,000 未払金 11,000
前払利息 1,000

購入時の仕訳の詳細につきましては固定資産を分割払い(割賦)で購入した時の基礎を合わせてご参照ください。

(2) ×2年3月31日の割賦金の支払い時の仕訳
割賦金の支払い時には購入時に計上した未払金を減額するのですが、支払った金額に対応する利息金額を算定し、これを前払利息(資産)から支払利息(費用)へと振り替え処理することになります。

ここで割賦金の支払額のうち、「利息の返済額はいくらか?」を算定する必要がありますが、本設問では「利息の処理は利息の総額を割賦金の支払期間に応じて均等に按分する方法(定額法)によるものとする」とありますので、利息の総額を支払期間で按分し、毎回の支払額に対応する利息の支払額を算定します。

利息の支払い総額は上記(1)のとおり1,000円、割賦金の支払期間は10年であり毎年1回割賦金を支払うことになっていますので、毎回の割賦金に対応する利息の計上額は以下の通りとなります

割賦金に対応する利息金額:利息の総額1,000円÷割賦金の支払い回数10回=100円

借方 金額 貸方 金額
未払金 1,100 現金預金 1,100
支払利息 100 前払利息 100

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