外貨建取引の仕訳で使用する為替相場(外貨建取引の基礎)

外貨建取引(取引金額がドルやユーロなどの外貨で表示されている取引)の仕訳を行う際には、外貨で表示されている取引金額を円貨(日本円での表示)に換算することが必要となります。
この際、どの為替レート(いつの為替相場)を使って日本円に換算してやるかは外貨建取引の仕訳問題では最も重要な論点となります。
外貨建取引の仕訳問題で使用される為替レートとしては以下のようなものがあります

取引発生時の
為替レート
取引が発生したその日の為替レート(為替相場)を使って取引を換算します。一般的には外貨建取引は、まずこの取引発生時の為替レートを使って換算することになります。
なお取引発生時の為替レートは、HR(Historical Rateの略)と表現されることもあります。
決算時の
為替レート
決算時の為替レート(為替相場)です。資産などを決算時の時価に評価替えする時などに、取引発生時の為替レートで換算された円貨を決算時の為替レートで換算し直すことがあります。
なお決算時の為替レートは、CR(Current Rateの略)と表現されることもあります。

そのほかに予約レートなどもありますが、まずはこの2つの為替レートの使い方をしっかり理解することが重要となります。

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取引発生時の仕訳例

アメリカの取引先に商品を100ドルで販売し、代金は掛けとした。なお商品販売時の為替相場(取引発生時の為替レート)は1ドル100円であった。商品販売時の仕訳を示しなさい。

(解答)

借方 金額 貸方 金額
売掛金 10,000 売上 10,000

(解説)
外貨建取引(この問題では商品を100ドルで販売した取引)の仕訳では、まず外貨で表示された金額を円貨に換算することから始めます。取引発生した時の仕訳では、通常の場合、取引発生時の為替レートを使って外貨金額を円貨に換算します。
この問題では商品を100ドルで販売した時の為替レートは1ドルあたり100円となっていますので、その円貨は以下のように算定します。

商品の販売価格100ドル×取引発生時の為替レート@100円=10,000円

取引金額を外貨から円貨に換算し、その円貨金額を使って商品売上と同じように仕訳を切ることになります。

(このページと関連するページ)
外貨建取引発生時の仕訳(その時の為替レートを使う)

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